エニアグラム根源的恐れと根源的欲求
人は皆、何かしらの恐れをもって生きています。
赤ちゃんとして生まれ、成長していく過程において満たされなかった欲求や認めてもらえなかった経験を重ねていくうちに、自分には何かが欠けているのではないかという恐れを抱くようになります。
それは無意識の中で不安となってその子の心にしみついていきます。
この恐れをエニアグラムでは「根源的恐れ」と呼びます。
様々な恐れを持っている中で、自分のタイプの恐れが一番の行動の動機になります。
【各タイプの根源的恐れについて】
1:自分が悪く、堕落し、よこしまで、欠陥があることを恐れる
2:自分が愛されるにふさわしくないことを恐れる
3:自分に価値がないこと、本来価値をもっていないことを恐れる
4:アイデンティティや個人としての存在意義をもっていないことを恐れる
5:役に立たず、無力で、無能であることを恐れる
6:支えや導きをもたないことを恐れる
7:必要なことを奪われ、痛みから逃れられないことを恐れる
8:他者に傷つけられ、コントロールされることを恐れる
9:つながりの損失、分裂を恐れる
この根源的恐れを補うために、「根源的欲求」が生まれます。
恐れがあり、その恐れから身を守るために「もし自分に○○があればすべてはうまくいく」と言い聞かせます。
この根源的欲求を持っていることは当然のことで、決して悪いことという意味ではありません。
ただ、この根源的欲求をあまりに過剰に追求しすぎることで、逆に根源的欲求に支配されてしまうというということが問題になります。
満たされないまま、ひたすらに追求し続けて、どんどん「今ここ」を感じられなくなり、リラックスできず、かたくなになっていってしまいます。
【各タイプの根源的欲求とその屈折】
1:高潔でありたい → 批判的完璧主義に陥る
2:愛されたい → 必要とされたいという必要に陥る
3:価値のある存在でありたい → 成功の追求に陥る
4:自分自身でありたい → 自己放縦(好き勝手にすること)に陥る
5:有能でありたい → 無用な専門家に陥る
6:安全でありたい → 信念に対する執着に陥る
7:幸福でありたい → 必死の現実逃避に陥る
8:自分自身を守りたい → たえざる闘いに陥る
9:平和でありたい → 頑固な怠慢に陥る
自分の中にどういう恐れがあり、どういう欲求を抱えているのか。
恐れや欲求があることは善悪では判断しません。
ただ恐れや欲求が自分にはあること。
それを理解することで、自己理解へとつながり、自己受容につながります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。