エニアグラム本質に立ち返るために
幼少期にどれだけよく特定の欲求が満たされたかによって、人格に影響があると言われています。
満たされなかった欲求が欠落部分となり、自分自身の本質を分かりにくくさせてしまいます。
私たちの性格は、成長過程において欠落部分を補うために形成されました。
まるでギプスのようなものと考えてもらえるとわかりやすいかと思います。
骨折したりけがをしたときにはギプスを付け、けがをした部分を守りますよね。
幼少期に満たされなかったもの、そこでできた心の傷を守るために性格というギプスをつける。
そうすることで私たちは心を守ってきました。
人によってはまるで全身を鎧のように性格というギプスで覆わなくてはならなかった場合というのもあるでしょう。
でも、決して性格が悪いということではありません。
成長する過程において自分の心を守るために必要なものだったから。
ただし、性格を見て自分はこういう人間なんだと思い込むことは違うと思います。
もともとの本質があって、それを傷から守るために作られたのが性格です。
幼少時代に条件付けられた反応や恐れ、信念から生み出されたものが性格です。
そこに目を向けるともともとの本質、本来の自分というものが見えなくなってしまいます。
大切なのは「今ここ」に存在すること。
これまでがどうだったかではなく、今はどうかです。
本来の自分を知る手掛かりとしてエニアグラムは有効な鍵となります。
性格は私たちの最も弱く、心の傷が最大であるところに最も強力に発達してきました。
その性格を知ることで、成長に必要な取り組みはどこかを指し示してくれるのです。
例えばタイプ8。
ジャイアンのような強さがイメージのタイプです。
子供のころに無意識に受けたメッセージは
「弱みがあったり、人を信頼するのはよくない。」
そういうメッセージを受けたことから、
「他者に傷つけられ、コントロールされること」を恐れます。
これが根源的恐れとなります。
そうして、その恐れを補うために
「自分自身を守りたい」
という根源的な欲求が生まれます。
自分自身に対し「もし○○があればすべてはうまくいく」と言い聞かせるかのように、自分を問題のない状態にできると思い込んでいるものが根源的欲求です。
それが自分自身をたえざる闘いへと導いてしまうのです。
どのタイプでも根源的欲求を誤って過剰に追求することで自己破滅的になりうるのです。
性格を見て、この仕組みを知ると自分の満たされなかった欲求や持っている恐れに気づくことができます。
すると、本来の自分、自分の本質に立ち返るヒントが見えてくる。
「今ここ」の自分を感じる
自分自身を慈しむ
自分は自分を見捨てない
ことが十分にできれば自分の本質が現れてきます。
エニアグラムはその手助けになってくれると思います。
簡単な性格分析にはとどまらないのがエニアグラムのすごいところだと感じています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。